ボーダーさんのブログ ~ボーダーレススタッフのブログ~

Kなはなし

2017.03.16(木)
投稿者:城倉 裕紀

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錦織圭

色んな「K」で溢れる現在
失われていく「K」もあれば加えられる「K」もある

歴史上最大の功績である「K」は
もちろん夏目漱石の書いた「K」とフランツ・カフカの書いた「K」であるがその話はさておき

撮影終わり車中で疲れた身体をいたわりながら(運転ありがとうございます)
今はなき渋谷のライズXで見た舞台「黒猫」に思いを馳せる

はやすぎたプロジェクションマッピング
映像と舞台の融合

舞台の良さは
抽象的な空間表現と徹底したミニマリズムにある

相反する究極の具象表現
滅私暴力的なカメラアイがその世界にどう影響するのか

原作はエドガー・アラン・ポーの「黒猫」
主人公は精神錯乱とともに飼い猫である「黒猫」によって次第に追い詰められていく

スクリーンと化した舞台上の「壁」の前で映写光の陰影を纏う肉体
そのアンビバレンスな視覚体験はラストシーンの「壁」の恐怖をより際立たせていた

車窓に流れるテールランプが、NASAが発表した7つの地球型惑星の周回を彷彿とさせる
町は「黒猫」のでてくる「海辺のカフカ」でおなじみの村上春樹の新作、プレミアムフライデー発売の「騎士団長殺し」で賑わっていた

そういえばと、前日に見た「真実を見抜け!謎解きアンビリバボー」でキャノンの超望遠レンズデジタルカメラが肉眼では不可視の1.5キロ先の人の姿をありありと映し出していた話を、後部座席のカメラマンへ嬉々として語った

もしかしたら午前二時フミキリに、天体望遠鏡の代わりにムービーカメラを担いで超望遠レンズで遥か40光年先の7つの惑星をのぞいたら、イタロ・カルヴィーノの「レ・コスミコミケ」の「光と年月」のエピソードのように地球外生命体とプラカードで会話ができるかもしれない

見えないものを見ようとしたり簡単なことなのに身体が入れ替わりタイムスリップしなければ言えなかったり何回も許可を得てくると思ったら突然自分で許可を与えたりする・・・そんな彗星やらほうき星やらを見て勝手に二十億光年の孤独を感じ海外からやってくるSFXとファンタジーに毒され少年ジャンプとディズニールネッサンスに洗脳されて育ってきた夢見がちな平成ゴジラファミコン世代としては40光年とは驚くほど近く「シン・ゴジラ」日本アカデミー賞総なめの報には素直に喜べなくとも2008年宇多田ヒカルと浜崎あゆみの顔面がデカデカと載ったジャケットがオリコン1位の棚を交互に入れ替わるのを見ながらその下のインディーズコーナーでいつも借りられていたバンドマンが口にするちょっと悪そうな横文字「ラッド、バンプ、エルレ」を今もこうして聞けることは感慨深くゼロ年代の遅れを取り戻す日本のSFとアニメの底力には勇気をもらえる

 ある晩 黒猫をつかまえて鋏でしっぽを切るとパチン!と黄いろい煙になってしまった
 頭の上でキャッ!という声がした 窓をあけると、尾のないホーキ星が逃げて行くのが見えた
  (稲垣足穂/1千1秒物語)

BUMP OF CHICKENの「K」
学生の頃、誰かがよく唄っていた
忌み嫌われた鍵尻尾の「黒猫」が走る歌だ


窓ガラスに映る宵闇に一瞬、「黒猫」の走る姿を見た気がした


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